ジャック・ブレルは今日もパリに生きて歌っている 5/13・5/14

観てきました。しかも２日続けて。。
「ジャック･ブレルは今日もパリに生きて歌っている」

これはミュージカルというのでしょうか？
シャンソン歌手 ジャック・ブレルの作詞・作曲し創唱した名曲の数々を
４人の歌手が歌いつぐ、という新しい形の舞台です。

最初は出演者に惹かれて観に行きました。
2002年10月。
そしたらドップリはまりました。

ジャック・ブレルなんて全く知らなかったけど、
観終わって、聞き終わって、、、衝撃！
そして興奮！
歌詞がとても直接的で、ぐんぐん心の中に入ってくる感じ。
最初は歌詞を聞き取るのに必死だったけど、
シビアだったり、優しかったり、悲しかったり、現実的だったり。
もちろん全部理解してるとは全然言えないんだけど。
「次！」はどうしようもない現実が、つらく、衝撃的だし、
「息子たち」は子供はみんな平等である、といった内容を
優しいメロディにのせて歌う・・・。とにかく全曲奥が深い。
全部感想を書きたいけど、ほんとキリがない。
音楽も、優しいものから言葉遊びのようなもの、テンポの良いもの、
様々で、シャンソンといっても決してひとくくりには出来ないし。

そして何よりも、これらの曲が発表されてからもう何年も経っているであろうに、
今の世の中にぴったりあっていて、全く色褪せる気配がなく、
古くささなんてどこにも感じないところがスゴイ！

舞台も階段があるだけのシンプルなもので、
衣装も全体を通して一度着替えるかどうか。
そんなシンプルな舞台だからこそ、
ジャック･ブレルの曲が生きてくるのかなぁ？

今回楽しみにしていたのは、池田聡さん。
全く観たことのない人だったんだけど、前回観た友人が絶賛していたので。
本当に素晴らしい！
単純に歌が上手いだけではなくて、歌に演技力・表現力があって、
ジャック・ブレルの世界観を見事なまでに伝えてくれる感じ。

吉野圭吾さんは大好きな俳優さんのひとり。
初めてこの公演を観た時から、吉野さんで観てみたい！と
待ちに待ったキャスト。
彼も期待を裏切らなかった！
期待以上に、歌もよかったし、何よりダンスも魅せてくれて。
かっこいーーー！
5/13ソワレでは、吉野さんと紫吹淳さんのダンスシーンで
ちょっとしたハプニングがあったんだけど、
それをフォローする吉野さんがまたまた素敵でした☆
彼は大劇場で観るよりも、これくらいの規模で観た方が何倍もいいなぁ。

剱持たまきさんは正直ちょっと期待はずれ。
「レ･ミゼラブル」のコゼットでは透明感のあるきれいな声だったのに、
この作品では、地声の部分が多く、ちょっと雑な感じ。
裏声で歌う歌も、伸びがいまいちで・・・。

紫吹さんは久しぶりにダンスを見ることが出来て感激。
宝塚時代のキレのよいダンスはいまだ健在でした。
いわゆる宝塚の男役らしい紫吹さんもかっこよかったけど、
吉野さんとのデュエットダンスも素敵だったな～。
彼女はホント「魅せる人」ですね。

ただ、全体的なバランスでみると、個々にバラバラだった感じがしちゃうかも。
「マラソン」「ブリュッセル」なんかはいまいち音があっていなくて残念。
逆に「マドレーヌ」は初めてソロで聞けてよかったな～。

２日間連続で観たけれど、14日（千秋楽）のほうが客席も盛り上がってて
出演者のパワーを感じたな～。
単に演出とかストーリー、出演者とかだけでなくて、
自分の体調とか、客席の温度とか、もちろん役者さんたちのモチベーションとかで
全然印象が違ってくる舞台って、やっぱり面白い！

もっといろんなキャストで観てみたい～！
２ヶ月に１回くらいのペースでやって欲しい！！切実に！

あ、日曜日は客席に安達祐実さんが観に来てました。
すっごく華奢で、やっぱりかわいー。お人形さんみたいでした。

2006/5/13　ソワレ　ル･テアトル銀座
出演者：紫吹淳・吉野圭吾・剱持たまき・池田聡

2006/5/14　マチネ　ル･テアトル銀座
出演者：紫吹淳・吉野圭吾・剱持たまき・池田聡

（追伸）
今まで何度も観てきたこの公演で、印象に残っているのはこんな感じかな。
もちろんみんなそれぞれによくって、比べられないんだけど。。

　麻乃佳代さん　「私の愛」「老人たち」「華麗なる千拍子」「愛さえあれば」
　堀内敬子さん　「臆病な人たち」「故郷マリーク」「華麗なる千拍子」
　真矢武さん　　 「独り者のダンス」「次！」
　岡幸二郎さん　「愛さえあれば」
　吉野圭吾さん　「マドレーヌ」「葬送のタンゴ」
　紫吹淳さん　　 「ジャッキー」
　池田聡さん　　 「ファネット」「次！」